Typodermic Fontsの世界へようこそ。これから、私の頭の中で文字が入り乱れる世界に足を踏み入れることになります。これは、制作の裏話や風変わりな細部を詰め込んだ、書体のタイムカプセルです。
ここには、真夜中にひらめいて生まれたフォント、立ち消えになった依頼案件から生まれたフォント、画面上の形を飽きずに追い求める私の執着から生まれたフォントが登場します。気ままな趣味のプロジェクトとして始まり、プロの製品へと育った書体もあれば、私のハードドライブを飛び出し、パブリックドメインを自由に歩き回るようになった書体もあります。それぞれが、影響を受けたものや偶然の出来事の足跡を持っています。その足跡を、今ここに集めました。
もっと多くのデザイナーが、自分のフォントの隠れた人生を語ってくれたら、と私はよく思います。書体の背後にある物語を掘り起こそうとしても、たいていは何も見つかりません。見えないインクを探すようなものです。この本を、未来のフォント考古学者のために私が残した道しるべ、あるいは舞台裏をのぞくのが好きな人のための記録だと思ってください。フォントを作るのは華やかな部分です。更新を続け、ライセンスの質問に答え、細かな不具合を追いかけるのは、地道で骨の折れる作業です。この本には、その両面を映し出しました。
気になるところを開き、足を止めながら、このコレクションを散歩するように楽しんでください。どの物語も、フォントを作るという奇妙で、のめり込まずにはいられない仕事について、少しずつ明かしてくれます。